出会う、集う、語る、つながる。地域みんなで子どもを育てる——
不安なく喜びの多い子育てができるよう、保健師を中心に渋谷区がサポートを行う仕組み:渋谷区子育てネウボラ。
その拠点となる施設が、2021年8月2日、渋谷宇田川町、ちょうど渋谷区役所近くにオープン。

それを記念して、2019年から2年の任期を経てこの度、渋谷区子育てネウボラアンバサダーに再就任したタレントの若槻千夏さん(渋谷未来デザイン フューチャーデザイナー)と、長谷部健渋谷区長の対談が行われました。

都心でも気軽に子育て相談ができ、背中を押してもらえる場に

長谷部
あたらしくなったネウボラの施設、どうですか?

若槻
木の感じがすごく居心地がいいです。安全で親も一緒に来やすい雰囲気。
特徴的な大階段があるエントランスも、施設の中がよく見えるから、オープンな感じで入りやすいですよね。

キャプション:オープンに先駆け施設内を内覧する若槻さん

長谷部:
「ネウボラ」はフィンランドで始まった考え方で、実際にフィンランドを視察していろんな面で参考にしています。
この施設の木に囲まれた雰囲気も。ここの木は、ハチ公の故郷である秋田県大館市の杉を使ってるんですよ。

若槻
この木の温かみは来やすいなあ。相談したい人が気軽に行ってみようと思えるウェルカムな感じがあります。
子どもの遊び場もあって。
赤ちゃんや小さな子どもたちが遊べるだけでなく、小学生でも放課後に気軽に立ち寄れるような場所になったらいいなと思います。

長谷部
そうですね。僕は原宿で育ったんですが、こういう場所で学ぶちからをつけたり、都心だけど遊べる場所になったり、都心ならではの子育てと街の関わり方があるだろうなと考えています。
この2Fフロアも一般に貸し切りで開放したりもする予定です。「若槻千夏ナイト」とかやってみては?(笑)

若槻
急にチャラいですね(笑)
でもほんとに、子どもを連れて親同士の親睦会なんかをしようとするとお店に迷惑がかからないようにと、いつもすごく大変なんです。
こんなにいい場所があることは是非みんなに知ってほしいですね。

長谷部:ネウボラって相談場所なんだけど、相談だけじゃなくてここであたらしい友達が出来たりというふうにも機能してほしいです。

 

渋谷で子育てなんてできるの? そんな疑問を安心に変えたい

長谷部
フィンランドでも妊娠時期からのサポートがあるように、渋谷でもだんだんと充実してきていて、より多くの人の背中を押せたらいいなと思っています。
渋谷区の「育児パッケージ」(※)ってご存知ですか?

※育児パッケージ
衣類や体温計、おもちゃ、爪切りなど、出産後に必要な育児用品を渋谷区からお祝いを込めてお届けする取り組み
詳細)https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kodomo/ninshin/ninpu.html

若槻
あれいいですよねー。
私も渋谷でひとりめの子を産んだんですけど、ママ友がいないので「何を買ったらいいんだろう」とか、わからないんです。

長谷部
核家族が多いので、すぐそばで教えてくれる人も少なくなってしまいます。

若槻
私は本とかSNSで調べたけど、ほんとはだれかの声で相談できたほうが安心する。
「こういうときどうしたらいいんだろう?」という疑問に対して、ネウボラのようにプロの方が背中を押してくれて、いつでも気軽に相談できる場所は素敵だなあ。
あと最近よく行くのは、代官山ティーンズ・クリエイティブ。そこで科学実験をしたりとか、とてもクリエイティブに遊んでいます。
教えてくれる講師の方々はみんな有名なプロの方で、小さい頃からそんな環境にいられることは素敵なことだなと思います。
そんなことが普通にあるということにびっくりします。でもそれが渋谷区ならではだなと。

長谷部
渋谷区にちからを貸してくれる人が多いんですよね。ほんとに贅沢な環境ですよね。
代々木公園のプレイパークは?

若槻
行きました!

長谷部
あそこは僕が区議になって初めてつくらせてもらった場所なんです。
遊びのなかで失敗をしていろいろ学ぶというのは大事なことですが、規制の関係でなかなかそういう場をつくれない。
リスクヘッジをしていくとあれもこれも全部禁止になってしまうけれど、自分の責任で自分で遊ぶ公園を渋谷区で持ちませんか、と提案して実現したんです。

若槻
あとは宮下公園も好きで、屋上に子どもと行ったり。遊ぶところも多いですよね。

長谷部
サンドコートとか、子育て世代の方々を集めて貸り切っていただいて、巨大砂場として遊んだりとか。
ぜひアンバサダーとして、ネウボラだけでなく渋谷の街をつかった企画をつくってほしいです。

若槻
母親としては、いろんな行事で他の親御さんと集まって話すことが多いんですが、「自分の意見がすべてではない」というのが大事なポイントだなと思っています。
例えばコロナ禍で校庭を土日に解放するかしないかとか、それひとつ取ってもいろんな意見の人がいる。
自分の意見が絶対と思わないように、まわりを尊重しながら子育てすることを心がけています。
自分の子だけが子どもじゃない、みなさんの子も自分の子のように考えてあげることが優しさであり、子育てで大切なこと。
それはネウボラのコンセプトとも合致すると思っています。

長谷部
渋谷区の基本構想にある「ちがいをちからに変える街」というのもまさにそのこと。自分が好きなことばかりやってちゃだめ。
調和していくことが大切です。ちがう人がいるんだということを理解するのが、子育てでも大事な基本だと思います。
若槻さんにそう言っていただけて、とても心強いです。

 

若槻
これからも渋谷で子育てをする目線から、「こういうことをしてほしい」というのを区長にバンバンぶつけていこうと思います(笑)
でも、独身時代は「渋谷で子育てなんてできるの?」って思ってたけど、実はいろんなことがとても充実していて、安心して子育てできる渋谷区というのを感じています。
渋谷って遊びに来る街でもあるけど、すごく住みやすい街なんだということももっと広く伝えていきたいです。




渋谷区子育てネウボラ
渋谷区宇田川町5-6

<しぶや区ニュース 8月1日号>
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kusei/koho/news/20210801.html